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出来ないのは技術力が落ちたわけではない

銘板と一言で言っても加工方法は様々です。アルマイト、エッチング、シルク、プレス、オフセット、などなど。多岐に渡ります。

むかーしから流れているお仕事が、加工先が廃業して受け継ぐことはが最近多いのですが、どうしても出来ないものがあります。それは職人的な技術が落ちている、という訳ではありません。その技術の需要が少なくなって、続けるモチベーションが無くなってしまった、と言えます。

その技術を残すために必要な薬品であったり設備であったり、滅多に来ない注文のために維持することが難しいんです。

「職人」「町工場」といった、古くからある言葉ですが、もちろんアナログ的、感覚的な要素は必要です。でも、それを維持するメリットが無ければ、代替方法に技術は流れていくんです。今お願いしている業者さんの社長が最近よく言うことは、今回だけ出来ても継続的に出来なければ続けない、ということです。これは、何でやってくれないの?って反応してしまいがちですが、実はとても奥深い意見なんです。最終的にお客さんの迷惑をかけるそれを言うのが今なのか、1年後か。

だから、どうしてもうちで受けることが出来なければ、他社さんで出来るところでやってもらった方が良い。最近はそう思っております。なんでその加工が今必要なのか?それは、図面を書いている設計者でも分からないこともあるかと思うんです。理由は、今までそうだったから。そういう理由が多いのではないでしょうか?今さら加工方法変えて評価するのは時間も費用もかかります。よく分かるんです。

でも!!その時間稼ぎも、今後出来なくなるかもしれません。だから、私は継続性を最近考えるようになりました。それ前提での提案。

この考えの変化は結構大きい。今うちでやっている加工も例外では無いのです。やる設備、やる人、とにかく今は何でも「不足」するようになりました。だから、属人的な技術の加工方法を見直す時期なのでは?と思っています。誰でも出来る、は言い過ぎかもしれませんが、自動化など、作業者に負担がかかる作業をどう軽減出来るか?この点を深く考えていく段階だと思っているんです。今は人はいますが、求人やって思うことは本当に人が集まりません。なので、どうしても人が必要なところと、機械に置き換えることが出来る部分をきちんと仕訳する、そんなことも考える必要があります。

今何とか出来るから出来る事はやりますけど、では数年後に同じ仕事が来たときにできるのだろうか?も真剣に考える必要があります。技術的にも、価格的にもです。継続性が一番難しい要素かと思います。

継続的に会社をやっていくには、一発ホームランでは無いのです。世の中の流れ、ニーズをうまく自社の型の当てはめて、常に100%の能力全開ではなく、余力を残しながら続けていく必要があります。そうなると、一番大事なのは、技術の継続性と安定性です。なので、出来ないこと、やれるけど続けることが難しい場合は先にお話する。お客様にとっては、色々と調整が必要でその時はご迷惑をおかけしますが、、私はその先に起こりうる継続性の難しさを考えてお話するようにしています。

残すべき技術なのか、もしくは代替可能なものなのか。一過性のコストだけを考えず、長い目で見た場合のトータルのコストで有利になるような提案をしていきたいと思っています。意地悪しているわけではありません(笑)