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モノづくりを支える人

今日は、シャーリングの刃の研磨をしてもらいました。もう何十年も同じ人にお願いしております。出張で研磨をお願いしております。

今年で70歳だそうです。大体、年に一回、このくらいの時期に研磨してもらっております。本当に助かっております。

シャーリングの研磨の腕ももちろんですが、刃をシャーリングにセットする際の微調整も完璧で、薄い紙をきれいにカットできるくらいに、クリアランス(隙間)を調整してくれています。

この方は、うちの会社界隈ではみんなお世話になっている方です。まさに替えのきかない人です。この人でないとダメな人なんです。

「あと何年続けられるかな~」が口癖ですが、、、出来る限り続けてほしいのです。ほかに研磨お願い出来るところは無いこと無いのですが、、お値段というより、出張で研磨してくれることや、確かな品質で間違いないこと。やっぱり、この人で無いとダメなんです!!!身体の調子悪いって聞いたときは、うちを含め、色んな会社が動揺しました。え!どうしよう!って。まだ、お元気そうで何よりです。

研磨するときに検査装置なんてありません。手で触った感覚でやっています。職人って言葉は一括りにするようであまり好きでは無いのですが、まさにこの人で無いとダメという職人さんです。研磨直後は、本当にスパッと最高の切れ味です。長いこと続けてほしいなって思います。

とはいいつつ、研磨の頻度は年に1~2回ですよね。この方の生活を支えるほど仕事を出しているわけではないので、ずっと続けてほしいと願うのはワガママかも知れませんね。今のモノづくりはそういう方がたくさんいて、少しだけど必ず必要な技術を持っている人がどんどん減っているんです。

え~やめちゃうの!続けてほしい!と思う気持ちは、たまにこちらのエゴじゃないかと思うときがあります。いや、仕事上では必要不可欠であることは間違いないんですけど、その人の生活を支えるだけの発注をしてきたのか?って。その方の知っている部分でほんの一部で、1年の間で1時間も無いくらいの時間かもしれません。それ以外、自分の体調、家族、そのほかもろもろ、色んな選択肢からもうやめたいと思うのなら、それは尊重すべきじゃないかと思います。もう十分仕事したよって感じかと思います。

こういう職人さんは目立たないけど、いつもモノづくり現場のどこかにいたんです。そして、自分の仕事を短時間、かつ、完璧にやって、さっと帰っていきます。そんな風景がどんどん消えていってるんですね。それは時代の流れなんですけど、ちょっとさみしいなって思いました。

とにかく、今日も完璧なお仕事ありがとうございました!!また来年も頼みます!!続けてくださいね!!