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第66期方針:徹底的に「足元を固める」。品質の安定化から見えてきた、見えないコストの真実。

あっという間の1年を経て、第66期のスタート

先週で無事に前期の決算を締め、今週からいよいよ新しい期——「第66期」がスタートしました。

振り返れば目まぐるしい1年でしたが、こうして新しい節目を迎えられたのも、日頃から支えてくださるお客様、協力工場様、そして現場の社員たちのおかげです。心より感謝申し上げます。

前期末のブログでも少し触れましたが、今期掲げる全社目標は非常にシンプルです。 それは、徹底的に「足元を固める」こと。これに尽きます。

そのための柱は大きく2つあります。

  1. 製造面における「品質向上」と「品質の安定」

  2. 社内の「業務効率化(コミュニケーションの安全と迅速化)」

今回はまず、1つ目の「品質向上と安定」について、現場のリアルな数字とともにお話しします。

「職人の感覚だから」で終わらせない:80%は数値化できる

品質向上といっても、工場全体を漠然と底上げするのではなく、今期は「とある特定の工程」に照準を絞っています。(※具体的な工程名は企業秘密です!笑)

現状でも製品として十分な基準は満たしています。しかし、目指したいのは「いつでも、誰がやっても、寸分違わず同じクオリティで供給し続けられる状態」です。

ものづくりの世界において、これは言うほど簡単なことではありません。長年現場を見ているからこそ、その難しさは痛いほど分かっていますし、お客様にも「ここは非常にブレが出やすい繊細な工程です」とお伝えしてきました。

しかし、前期の終盤、ふと自問自答したのです。

「本当に、これ以上安定させることは不可能なのだろうか?」

ものづくりの現場では、長年の「職人の感覚」や「勘」が重宝されます。もちろん、五感でしか判断できない領域があるのは紛れもない事実です。 しかし、「それは職人の感覚だから数値化できない」と言ってしまえば、改善の歩みはそこで止まってしまいます。

私は自ら現場で手を動かす職人ではありません。だからこそ現場から「社長は実際に作業をやらないからそんなことが言えるんだ」と思われがちです。 ですが、現場に直接入らない人間だからこそ、感情や慣習に囚われず、工程全体を客観的に俯瞰できるという強みがあります。

私の仮説はこうです。「100%は無理でも、職人の感覚の80%くらいは、データや数値に置き換えて標準化できるはずだ」

一時的な出費に惑わされない:たった「2円」を渋っていた現実

特定の工程で品質を極限まで安定させるためには、当然ながら新しい資材の導入や設備の改良など、相応のコストがかかります。

中小企業の経営において、外部へお金を支払う投資を行う際、どうしても「目先で出ていく現金の金額」ばかりに目が行きがちです。 しかし、ものづくりは一本の線でつながった「工程の連続」です。

ある工程で品質のブレを完全に抑え込むことができれば、その後の検査、修正、といった「後工程の全員の手間とストレス」が一気に激減します。この「浅く広く広がる効率化のメリット」は、目に見える請求書のような形で数字に出てこないため軽視されがちですが、これこそが経営上最大のコスト削減です。

試しに、この品質安定化のためにかかる追加費用を、製造する総数量で割って試算してみました。

その結果、製品1個あたりにかかるコストは、なんと「たったの2円」でした。

工程内不良の発生率や、手戻りにかかる人件費を計算すれば、1個あたり2円の投資などすでに余裕で完全にペイしています。 つまり、これまで私たちは「難しいから」「余計な経費がかかるから」と我慢していたのではなく、たった2円の費用を渋って、後工程に何倍もの見えないコストと負担を押し付けていたのです。

この事実が数字でハッキリと分かった以上、ためらう理由はありません。今期はこの改善を徹底的に深掘りし、設備と情報の整理を進めていきます。

品質が呼ぶ「業界内の噂」という最強の営業力

製造業の狭い業界内では、「あの工場は品質が安定している」「あそこに出せば手戻りがない」という評判は、驚くほどのスピードで伝わります。

ネットでの集客も重要ですが、こうした現場発のリアルな信頼こそが、新たな引き合いを生み、一度決まれば長期にわたる継続案件へと育っていきます。1個2円の投資で盤石な品質を手に入れることは、最大のコスト削減であると同時に、最も費用対効果の高い営業活動でもあるのです。

「足元を固める」とは、派手な大改革をすることではありません。 こうした日々の工程に潜む曖昧さを1つずつ数値化し、確実にクリアしていく泥臭い作業の積み重ねです。

もう1つの柱である「業務効率化(コミュニケーションの安全化)」については、語りたいことが山ほどありますので、次回のブログでじっくりお届けします。

第66期も、社員と協力工場の皆さんと共に、地に足をつけて一歩一歩前進してまいります!

今週もお疲れ様でした。皆様、どうぞ良い週末をお過ごしください。