【経営・DX論】定価のない町工場の見積もりをAIに学習させる。7,200件のデータで「社長の分身」を作る挑戦。
Geminiに勧められて、Claudeに浮気しました(笑)
金曜日恒例のブログです。今日は、現在私が密かに、そして本気で進めている「AIプロジェクト」についてお話しします。
私は日々、Google Workspaceを使っているという理由から、初期の頃から「Gemini(Googleの生成AI)」を愛用し、自作アプリの開発や業務効率化に活用してきました。 ところが先日、ふとGeminiに「私におすすめのAIはある?」と聞いてみたところ、なんと他社である「Claude(クロード)」をおすすめされたのです(笑)。
そこで用途に合わせてClaudeを使い始めてみたのですが、今、私がこのAIを使って本気でやろうとしていることがあります。 それは、営業・見積もり・顧客対応を担う「私の分身を作ること」です。
定価のない世界。「社長のさじ加減」をどう体系化するか
オーダーメイドの銘板製造業である弊社には、「定価」が存在しません。 案件ごとに仕様がバラバラで、決まった理屈や絶対的な計算公式はないのです。しかし古い業界であるがゆえに「なんとなくの相場観」は存在します。
さらに言えば、見積もりは代表である私が決めているため、「今は工場が忙しいから強気で出そう」「今は少し手が空いているから、安くても仕事を取りにいこう!」といった、その時の状況や気分による「ブレ」も大いに含まれます。
この極めて属人的で、感覚的な「町工場の見積もりロジック」を言語化して体系化するのは絶対に無理だと思っていました。 ……しかし、Claudeに相談しながら進めてみたところ、なんと、できそうな気がしてきたのです!
「なぜ50円高いのですか?」AIからの逆質問で育つ分身
現在、Claudeに私の思考ロジックと過去の事例の両方を解析させ、分身作成の準備を進めている途上なのですが、すでに「大体合っている」という精度の金額を叩き出してくるレベルまできています。しかも1日です。
何より一番興味深く、鳥肌が立ったのは「AIからの逆質問」です。
例えば、私が手計算で「単価450円」と出した案件に対し、Claudeが「単価400円」と出してきたとします。するとAIが、「私の計算より、なぜ社長は50円高くしたのですか?」と理由を聞いてくるのです。
私が「この案件は、印刷の歩留まりが悪い素材だからリスク代を乗せたんだよ」と答えると、それが新たなロジックとして記録され、AIが賢くなっていきます。
「AIの学習とはこういうことか! こうやって対話しながら自分の思考を移植して育てるんだ!」と、実際に使ってみて初めて腑に落ちました。
成功の鍵は、泥臭く貯め続けた「7,200件」の過去データ
なぜ、定価のない複雑な見積もりロジックの体系化がここまで早く進んでいるのか。 その最大の理由は、私が過去にコツコツと記録して貯め続けていた「7,200件の実例見積もりデータ」があったからです。
忙しくて毎回は記録できていなかったので、これでも全体のおそらく10分の1程度の量です。しかし、この「過去の生きたデータ」という強力な教師データがあったからこそ、AIは私の相場観を急速に学習できているのだと思います。 やはり、DXやAI化の土台になるのは、日々の泥臭いデータ蓄積なのだと痛感しました。
結び:AIに任せて、人間は「人間にしかできないこと」を
私たちのようなニッチで小さなマーケットは、どうしても「社長やトップセールスの属人的な能力」で回ってしまいがちです。しかし、それではその人がいなくなった瞬間に売上がガクッと落ちてしまいます。
もちろん、営業=見積もり作成だけではありません。 しかし、この一番時間を取られる「見積もりのノウハウ」をAIで共有・自動化できれば、営業担当者は「アフターサービス」や「クレーム対応」「お客様との対話」といった、より人間的で付加価値の高い顧客対応に時間を全振りすることができます。
営業マン個人の能力に依存せず、常に安定したパフォーマンスを出せる体制づくり。 まだトライアルの段階ですが、この「社長の分身」が完成した時、会社はもう一段階上のステージに行ける確信があります。
今週も頭をフル回転させた刺激的な一週間でした!
