「作れない時代」をどう生きるか。情報の囲い込みをやめ、リスクを取る現役世代の挑戦。
バブル崩壊後からの「最大の地殻変動」
連休を前に、仲良くしている同業の社長と話していて、100%意見が一致したことがあります。それは、「日本の製造業は今、決定的な過渡期を迎えている」ということです。
もちろん、製造業は常に変革の波に晒されてきました。しかし、バブル崩壊以降の長期間は、どちらかと言えば「サプライヤー過多(仕事の奪い合い)」の時代でした。溢れる余剰生産能力によって需要と供給が保たれ、業界全体が生き延びてきたのです。
しかし今、その前提が完全に崩れ去りました。あまりの廃業ラッシュにより、業界は今や「作れる工場がなくなり、仕事が受けきれない時代」へと突入しています。
課題:老朽化する設備と、数値化できない「職人の勘」
残された数少ない業者へ仕事が極端に集中する中、これまではベテラン職人たちの経験と、長年使い慣れた旧式の設備が現場を支えてきました。
私たちのような若い世代は、時代に合わせたデジタル設備や省力化機器を導入し、職人がいなくなった後も工場が回る仕組みを作ってきました。しかし、ものづくりの現場には、どうしても「感覚」や「勘」という数値化できない領域が色濃く残っています。
そして今、その職人たちの感覚を支えてきた一昔前の設備たちが限界(老朽化)を迎えています。
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直すのか、それとも最新設備へ更新するのか?
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場所を変えて新設しようにも、近隣の住宅街化が進み認可が下りない……
設備は単にお金を積めば解決するものではなく、使いこなす「人」と「環境」のセットです。同じ壁にぶつかり、頭を抱えている同世代の経営者は本当にたくさんいます。
解決の思想:技術の「オープンソース化」で仲間と勝つ
このような荒波の中で揉まれてきた私たちの世代は、上の世代とは明らかに異なる価値観を持っています。それは、競合を蹴落とすのではなく「仲間」として横の連携を重視するということです。
ソフト開発の世界では「オープンソース」が当たり前であるように、情報をオープンにして互いに高め合う方が、業界全体の成長スピードは圧倒的に早くなります。
かつての「取った取られた」の時代を生き抜いた上の世代の中には、今でも技術やノウハウを頑なに隠そうとする方がいます。自分の利益を守るビジネスのノウハウとしては一理あります。しかし、技術を囲い込んだまま会社を閉めてしまえば、長年培った日本の貴重な技術がそこで途絶えてしまう。これはあまりにも勿体ないことです。
協力工場が1社廃業すれば、今まで作れていたものが明日から作れなくなる。これが私たちが直面している現実です。だからこそ、情報をオープンにし、ネットワークで生産能力を補い合う「共創」の姿勢が不可欠なのです。
結び:リスクを背負う者だけが、次の時代を作れる
新しいことをやろうとすれば、経験豊富な上の世代からは「やめとけ」「リスクが高すぎる」と止められるかもしれません。
しかし、そこで足を止めるわけにはいかないのです。
設備への投資も、人材の育成も、簡単ではありません。しかし、リスクを恐れて何もしなければ、待っているのは緩やかな衰退だけです。未来を切り拓くためにリスクを背負い、次のステップへ進むことこそが、現役世代である私たちの明確な役割です。
きっとこのシルバーウィーク中も、頭の片隅でこんなことばかり考えているのだと思います(笑)。
ですが、見方を変えればこれほどチャレンジングで面白い時代はありません。 恐れずに挑み、行動を起こした者勝ちです。
今週もお疲れ様でした。皆様、有意義な連休をお過ごしください!
