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どんなにデジタル化しても「探す手間」があれば意味がない。DXの盲点と、仕事がデキる人の共通点。

導入:システムだけでは走らない、リアルとデジタルの連動

私が入社して以来、社内のデジタル化(DX)をかなり推し進めてきました。今では受発注管理や在庫管理の数値化・見える化が完了し、営業業務や製造の進捗状況もパソコンやスマホから一目で把握できるようになっています。

しかし、システムがどれだけ立派になっても、それだけで業務が円滑に回るわけではありません。システムと「実際の現場のモノや人の動き」を連動させるためには、デジタル化できないアナログな部分の「徹底的なルール化」が不可欠だからです。

リアルとデジタルの連動の肝は「場所」

具体的に言えば、「作業が終わったら、必ずココに置く」「ココに置いたら、このバーコードをスキャンする」といった泥臭いルールの徹底です。

なかでも一番重要なのは「場所」です。 いくらスマホ画面上で「製造完了」と分かっても、実際のモノがどこにあるか分からず現場をウロウロ探しているようでは、デジタル化の意味がありません。リアルとデジタルの連動の肝は、「決まった作業を、決まった場所で行うこと」に尽きます。

どんなに便利なITツールを導入しても、そこに「探す手間」が発生した時点で、DXとしては失敗なのです。

  • モノを探さないために: 実際の置き場所を必ず固定する。

  • データを探さないために: ファイル名を正確に設定し、格納するフォルダの場所を決める。

ファイル名が間違っていれば、検索機能はただのゴミになる

先日引き継いだデータで、ファイル名が実際の品番と異なっているものがあり、本当に苦労しました。特に製造業のデザインデータは容量が重いため、一つずつ開いて中身を確認するだけで膨大な時間が溶けていきます。

私は「Everything」という超高速のファイル検索ソフトを愛用していますが、ファイル名がルール通り完璧に設定されていれば、データは1秒で見つかります。逆に、名前が適当であれば、どれだけ優れた検索機能もただのゴミ箱と化してしまいます。紙の台帳をめくるよりはマシですが、やはり不要なストレスが溜まる瞬間です。

「例外だらけ」の業務フローをどう整理するか

業務のデジタル化を設計する際、まずやるべきは「業務フロー(流れ)の書き出し」です。しかし、これを進めると必ず「例外」が大量に出てきます。 「このお客様の時だけはこうする」「この製品は例外」……。 あまりに例外だらけになると、人間は途中で考えることを放棄したくなります。

ここをうまく突破するコツは、例外をすべてシステムに組み込もうとしないことです。 全体の構造はどこまでもシンプルに設計し、発生した例外の側を「そのシンプルな構造(ルール)」に強制的に合わせていく。この割り切りが、DXを成功させるための鉄則です。

仕事が「デキる人」と「進まない人」の決定的な違い

これまで多くの人を見てきて気づいたことがあります。仕事がスムーズに進む人は、デジタル派かアナログ派かに関わらず、自分の中に明確な「引き出し」と「順序(ルール)」を持っています。

ルールに基づいて行動しているからこそ、 「あ、この作業は前にもやったな」 「こことここの工程、重複して無駄だな」 という違和感にいち早く気づくことができます。そして、次のステップでそのルーティンや重複を排除するために、デジタルデータやツールを賢く使いこなすのです。

一方で、仕事がなかなか進まない人は、「同じことを何度も繰り返している」傾向があります。 同じ質問を何度も人に聞きに来たり、同じ内容のメモを何度も書き直したり。メモを取ることは大切ですが、メモはあくまで手段であり、目的ではありません。

人間の記憶力には限界があります。大切なのは「覚えること」ではなく、「その情報に、いかに時間をかけずにアクセスできるか」です。

決まった方法で情報を格納し、決まった方法で探す。 クラウド技術がこれだけ発達した現代において、この仕組みを使わずに「探す時間」を浪費してしまうのは、経営的にも個人の人生にとっても、最大の時間の無駄遣いです。

まずは身近なファイル名、そして現場のモノの置き場所から。 シンプルで無駄のない環境を、これからもデジタルとアナログの両輪で作っていきます。