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「モノはあるから落ち着いて」が、一番落ち着かない。供給網のブラックボックス。

現場に届かない「安心」

巷で話題のシンナー不足。火曜日のブログでも何度か触れていますが、私たちの業界、ひいては製造業全体で極めて深刻な問題になっています。

日本政府からは「当面必要な原油やナフサの確保は済んでいる」との発表がありました。しかし、本日時点でそれが私たちの手元に届いていないのは紛れもない事実です。全く入らないわけではありませんが、注文数の半分しか届かなかったり、納期が異常にかかったりといった状況が続いています。

昨日も、通常なら数日で届く保護シートが「2週間かかる」と連絡がありました。折しもゴールデンウィーク直前。連休前はただでさえ注文が集中しますし、この不安定な情勢では、少しでも手元の在庫を積んでおきたいのが本音です。正直に言えば、こうした「過発注」が品不足に拍車をかけている側面もあるでしょう。

供給側の「ブラックボックス」

昨日、ある新聞社の方とお話しする機会がありました。その席で「実際のところ、溶剤はどうなっているのか」と尋ねてみたところ、興味深い答えが返ってきました。

「発注側(私たち)の困っている情報は入ってくるけれど、受注側(供給元)の情報がなかなか出てこない」のだそうです。この供給側の状況が見えない「ブラックボックス」があるからこそ、私たちは余計に不安になり、それがさらなる過発注を招く負のスパイラルが起きているように感じます。

「モノはあるから落ち着いて!遅れるけど入ってきますから」

そう言われても、現場を動かしている側からすれば、落ち着いていられるはずがありません。

綺麗事では会社は守れない

溶剤、保護シート、両面テープ。こうした材料や消耗品は、本来なら数日で入ってくるのが当たり前でした。それが「2週間かかる」と言われれば、誰だって不安になります。

さらに難しいのが、シンナーなどの有機溶剤には保管量の制限(消防法等の届け出)があることです。すぐに入荷することを前提に、あえて在庫を最小限に抑えて運用している会社も多いのです。

アクリル材料も同様です。品物によっては受注停止が出ていますが、銘板用として一般的なものは今のところ入ってきます。それでも不安だから、うちも多めに発注しました。

SNSでは「6月で供給が尽きる」といった真偽不明の情報も流れています。たとえそれがデマだと分かっていても、将来にわたって使い続けるものなら、今のうちに確保しておいて損はない。万が一の最悪なシナリオが0%でない以上、経営者として「綺麗事」を言っている場合ではないのです。

かすかな希望を繋いで

そんな中、今日、仲間の社長から「シンナーとパンチングオイルが入ってきたよ」と連絡がありました。こうした小さなニュースに、少しだけ状況が改善するのではないかとかすかな期待を抱いています。

なかなかしんどい状況が続きますが、まずは自分たちにできることを一つずつ。 連休を控えたこの難局、なんとか踏ん張っていこうと思います。