【緊急報告 最終回】2026年6月23日。日本は6月に詰まなかった。私たちの「新しい日常」
毎週火曜日にお届けしてきた、中東情勢の緊迫化に伴うモノづくりの現場レポート。 4末の混乱から約2ヶ月にわたりリアルな状況を書き残してきましたが、このテーマでの発信は、今回をもちまして最後にしようと思います。
まずは、いつもの結論から申し上げます。 「本日現在、材料不足を理由に受注をお断りしなければならない状況ではありません」。
一部の資材や溶剤において、入荷の遅れや受注制限の残るものは確かにまだあります。しかし、非日常がなんだか日常になってきました。
1. 非日常が「日常」へ。値上げ率がバグったあとの世界
これまでに届いた怒濤の値上げ連絡も、ようやく一通り落ち着きました。 振り返れば、数ヶ月前の価格表がいったい何だったのかと思えるほど、あらゆる材料の「値上げ率」がバグってしまった期間でした。
ただ、非日常的なトラブルも、これだけ続くとそれが「日常」になってしまうものです。「慣れ」というのは本当に恐ろしいものですね(笑)。
そして、少し言い方は悪いかもしれませんが、経営者としての本音をあえて明かします。 今回のインフレは、弊社だけでなく「ほぼすべてのもの(全方位)」が一斉に値上げになりました。そのため、私たち中小企業としても、仕入れ値の高騰を理由にお客様へ価格改定(値上げ)のご相談をしやすかった、というのが偽らざる現実です。
2. メディアが報じない「適正価格への是正」という好機
マスコミの報道は、相変わらず値上げの「負の側面」ばかりを過剰に強調します。
しかし私は、今回の強制的なインフレは、日本のモノづくり業界にとって「長年据え置かれてきた取引価格を、適正な水準に戻すことができる絶好のきっかけ」になった側面もあるのではないかと考えています。
「いや、実はうちにとっても良い転換期になったんだよね」なんて、世間の手前、表立って口にできる会社はありません(笑)。しかし、口には出さずとも、腹の底では「これでようやく真っ当な利益構造に変えられる」と、前向きに捉えている経営者は実はかなり多いのではないでしょうか。
3. 日本は6月に詰まなかった。楽観の空気へ
一時は「物流がストップして日本の製造業が干上がるのではないか」とまで不安視されていましたが、結局、日本は6月に詰む(破綻する)ことはありませんでした。
アメリカとイランの和平合意が現実味を帯び、戦争のリスクがひと段落しそうな段階に入ったことも大きいですが、現場の空気感は明らかに「楽観的な空気」へと変わってきています。一時のヒリヒリした飢餓感は、もう過去のものです。
終わりに:守りから、攻めのモノづくりへ
この2ヶ月間、在庫の割り振りに頭を悩ませ、綱渡りの調達を続けてきましたが、弊社は一歩も退かずにこの難局を泳ぎ切りました。ご不便をおかけしながらも、温かく並走してくださったお客様には、感謝の言葉しかありません。
中東情勢のレポートはこれにて完結です! 上がってしまった材料費を嘆くフェーズはもう終わり。ここからは、この「新しい価格、新しい日常」をベースに、さらに進化した弊社の技術とスピード感で、攻めのモノづくりを再開していきます。
今後とも、変わらぬお引き立てをよろしくお願い申し上げます。
