【技術編】試作10枚に版代・型代は不要!薄型操作パネルを小ロット・低コストで作る「UVインクジェット×プロッター」
「試作10枚」「次回変更あり」のパネルに版代はかけられない
火曜日恒例の技術・設備ブログ。 工作機械や医療機器、測定器などの表面に貼られている薄い樹脂製の「操作パネル(シートパネル)」。
アルミ板の重厚なパネルであれば金属銘板やシルク印刷の出番ですが、薄手のシートパネルの場合、発注担当者様からこのようなご相談をよくいただきます。
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「試作機用なので、まずは10枚だけ作りたい」
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「今回100枚作るけれど、次のロットで型番やスイッチの位置が変わるかもしれない…」
1,000枚以上の大ロットであれば、版代や抜き型代を支払っても1枚あたりの単価が下がるためシルク印刷が有利です。しかし、小ロットや設計変更の可能性がある段階で「版代数万円+金型代十数万円」の初期費用をかけるのは、どう考えても割に合いません。
そんな時こそ、弊社の「UVインクジェット印刷」の出番です!
強み:印刷からカットまで「完全デジタル一貫ライン」
弊社の操作パネル製作における最大の強みは、印刷だけでなく、その後の後工程もすべてデジタルで完結することです。
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UVインクジェットで印刷
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カッティングプロッターで外形カット・ボタンの穴あけ
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裏面の専用両面テープもプロッターで形状カット
前回のブログでご紹介した通り、カッティングプロッターを使えば刃物型(ビク型・金型)を作ることなく、データ通りに外形やボタン穴を自動切断できます。
物理的にも、作業効率を極限まで高めるために「UVインクジェット機の真隣にカッティングマシンを配置」しています。印刷が刷り上がった瞬間、隣のプロッターにセットして即カットに入れるため、小ロットでも驚くほどの短納期と低コストを実現しています。
参考ブログ⇒カッティングプロッターのブログ記事
対応仕様と「できること」
小ロットだからといって、クオリティを犠牲にするわけではありません。産業用として十分なスペックを備えています。
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使用材料: ポリカーボネート(PC)、PET
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シート厚み: 0.12mm 〜 0.25mm
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表面仕上げ: 傷が目立ちにくい「つや消し(マット)」、視認性の高い「光沢(グロス)」の双方に対応
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カラー表現: ゴールドやシルバーなどのメタリック色以外であれば、フルカラーで自由に印刷可能
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窓加工: ディスプレイ表示部を「透明窓」にしたり、LEDの光を和らげる「スモーク窓」にすることも可能
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裏面両面テープの逃がし加工: 押しボタン(タクトスイッチ)のストロークを妨げないよう、ボタン部分だけ粘着テープをくり抜く「逃がし加工」にも対応しています。(※お願い:テープの逃がし形状はあまり複雑にしすぎないでくださいね。現場で裏紙を剥くのが本当に大変になります!笑)
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インク割れ対策: ボタンを押した際の衝撃で印刷がひび割れないよう、弊社独自の「インク割れ対策(ノウハウは秘密です)」を施して出荷しています。
プロだからこそ「先に絶対に伝える注意点(できないこと)」
ここまでメリットをお伝えしてきましたが、お客様に後から「思っていたのと違う…」とガッカリさせないためにも、事前に必ずお伝えしている「UVインクジェットの限界と注意点」があります。
1. 厳密な色合わせ(DICやPANTONEの完全一致)はできません
弊社のUVインクジェットは標準の基本インクセットで運用しており、「ライトシアン」「ライトマゼンタ」といった中間色インクを搭載していません。そのため、写真や一般的なカラー表示は綺麗に出ますが、「DIC-○○やPantone○○と寸分違わず色を合わせてほしい」というシビアな特色調色には対応できません。厳格なコーポレートカラーの再現が必要な場合は、インクを直接練って調色するシルクスクリーン印刷をおすすめしています。
2. ボタン部分の「エンボス(盛り上がり)加工」はできません
指で押した感触を良くするための「ボタン部分をポコッと盛り上げるエンボス加工」ですが、UVインクジェット印刷の上にエンボスをかけると、皮膜が引っ張られてインクが割れてしまいます。そのため、エンボス加工が必須のパネルについてはシルク印刷のみでの対応となります。
結び:ロットと用途に合わせて「賢い工法」を
小ロット・試作段階や、将来的な仕様変更が見込まれる操作パネルであれば、版代・型代ゼロの「UVインクジェット×カッティングプロッター」が圧倒的にコストパフォーマンスに優れています。
逆に、「何千枚も定期的に作る」「厳密な特色指定がある」「押しボタンのエンボスが欲しい」という場合は、初期費用をかけてでもシルク印刷を選んだ方がトータルで安く、確実です。
「うちのこの図面、UVインクジェットで作れる?」「このボタン配置ならテープはどう抜く?」など、お悩みの際はお気軽にお問い合わせください。現場のプロが最適な仕様をご提案します!
次回も知っておくと得する技術ノウハウをお届けします。
参考事例ブログ⇒【事例002】小ロット 操作パネル・キーシート製作
