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損益分岐点 改めて考える。

損益分岐点、経営では常に考える指標です。簡単にいうと、どれだけ売上あげれば、利益トントンになるか?という指標です。非常に単純で、簡単に目標売上高が出せます。

損益分岐点の計算で、考えるものは、以下の通り。
売上高
変動費(材料費とか外注費とか、売上に連動するもの)
固定費(人件費、家賃など、売上に関わらず固定的な支出)
利益(細かく言うと、営業利益とか経常利益とかありますが、単純化するために利益とします。)

会社の利益計算:売上-変動費(売上×変動費率)-固定費=利益
利益=0 つまり損益分岐点売上高は、固定費÷(1-変動費率)となります。

変動費は変動費率で計算が出来ます。過去の数字から、その会社の変動費率は大体計算できます。

例えば、変動費率=30%、固定費が1,000万円とすると、1000万円÷(1-0.3)=1429万円
この利益構造だと、この会社は1429万円売れば、損益=0 となります。

売上が急拡大!!っていう話でも、実は安い仕事を大量に受けていると、変動費率は上昇し、増えた仕事をこなすために固定費が増大。結局、利益は増えていないってこともよくある話。例えば、20円で買って40円で売っていたものを、たくさん売るために30円で売るようのなれば変動費率は1.5倍になります。そうなると、損益分岐点はどんどん上がってしまいます。結局、売上高は結果であり、目標になりすぎると売上高だけ一人歩きしてしまう。利益を考えないで売上!売上!となると、マイナスな影響の方が大きいと思う。

大企業であれば、規模の経済が働いて、間接部門などのコストが下がって、安売りしても利益が出るかも知れません。でも、うちのような小さい会社がそれをやると、後が大変なんです。

なぜか?一度安売りしてしまうと、値段を戻すことが困難だからです。安いからその会社にしたのに、安くなければお客さんにメリット無いからです。そうやって、安売りで拡大した売上が減ってしまうと、変動費率は高いままだから、損益分岐点を維持するのが以前より大変になってしまうんです。売上拡大期は良いんですが、経営は必ず波があるから、悪くなった時にその失敗に気が付くんです。

だから、売上!売上!の考えは危険なんです。理想は、気が付いたら売上上がっていたです。目標ありきだと、作ることより売ることが先になってしまいます。売上上げる一番早い方法は値段下げることです。他社から仕事取るんだったら他社の値段を聞いて、その金額より安くする。それはよくやる方法で否定はしませんが、無理すると儲からない仕事だらけになります。儲からない仕事で一杯だと、儲かる仕事が入るキャパが無くなります。悪循環としか言えません。

だから私は売上が上がったことばかり話す社長の話はあまり信じません(笑)実際売上上がっても、利益はどのくらい出てるのか、誰も分かりませんから。そもそも、儲かっている会社の社長は逆に黙っていますね(笑)目立たないようにしないと、色々突っ込まれますから。会社の内部事情は、見かけによらないものです。