【経営論】言語の壁は消えた。ドイツとロシア。そしてAIが拓く町工場の未来。
AIが呼び寄せた、国境を越えた1週間
最近、自身の経営者人生の中でも「新しい世界」の扉がすーっと開くような、極めて刺激的な出来事がありました。
きっかけは、いま話題の「生成AI」です。 実はここ最近、AIの検索機能経由で弊社のWEBサイトがピックアップされる機会が増えており、国内からのお問い合わせが増加傾向にありました。
しかし最近起きたのは、なんと「海外(ドイツ・ロシア)」からの直接的なアプローチだったのです。
事例① ドイツ:AI翻訳が届けてくれた「完璧な日本語メール」
まず1件目は、ドイツの企業様からのWEBお問い合わせでした。
届いた文面を読むと、非常に丁寧で洗練された日本語のビジネスメールです。「担当者様は、以前日本の企業で働かれていた方なのかな?」と思い確認してみたところ、驚くべき回答が返ってきました。
「すべてAIで翻訳して送信しました」
想像を遥かに超えるAIの翻訳精度に、ただただ脱帽しました。違和感ゼロの自然なやり取りの末、このお問い合わせは無事にお仕事(受注)へと繋がりました。
事例② ロシア:ロシア語のAI検索から突撃訪問してきた、若きガッツ
2件目は、さらに驚くべき展開でした。
先日、工場にふらりと白人の若い女性が訪ねてこられました。ロシアから来られた方で、日本語はまったく話せません(笑)。お互いに英語でコミュニケーションを取ってみると、「自分でデザインした画像を、金属プレートとして形にしたい」というご相談でした。通じない部分はお互いスマホで翻訳。
国内のお客様ではよくあるご依頼ですが、気になって「どうやってうちの工場を見つけたの?」と尋ねてみました。
すると彼女は笑顔で「実は近所に短期滞在していて、AI(生成AI)にロシア語で尋ねたら、ここをおすすめされた」と答えるのです。なぜ弊社の工場がロシア語AIのレコメンドに引っかかったのかは今でも謎ですが(笑)、驚愕の時代が来たと実感しました。
彼女は自分で作ったプレートを発送する必要があったのですが、自力で近所のヤマト運輸さんを探し出し、荷物を預けに行っていました。その行動力とガッツには心から脱帽です。「スパシーバ(ありがとう)!」と言った時の彼女の輝く笑顔が、とても深く心に残っています。
「言葉の壁」は、すでにこの世界から消えている
この2つの出来事を通じて痛感したのは、「すでに言葉の壁など存在しない」ということです。
今回のロシアのお客様とも納品までメールで何度もやり取りを重ねていますが、こちらが英語の文章を頭でひねり出す必要は一切ありません。いつも通り日本語で文章を打ち、Gmailに「英語にして!」と頼めば一瞬で完璧な英文が完成します。全くストレスなく、スムーズに商談が進みました。
これまで国内の製造業しか見えていなかった自分にとって、急激に世界が広がり、視界がクリアになった感覚です。
つぶれそうだった家業に戻った日の「あの夢」へ
あえて公言するのは少し気恥ずかしいのですが、昔、私が倒れそうだった実家の家業(この会社)に戻ってきた時、ぼんやりと描いていた未来像がありました。
「今の泥臭い町工場というポジションを大切に維持しながら、国内・海外問わず仕事を受け、製造業の下支えをしていきたい。そして、ここで働く社員たちの生活を護り、仕事へのやりがいをもたらしたい」
当時はまだ遠い夢のように思えたその構想が、今日、AIというテクノロジーの進化によって「決して夢ではなく、十分に実現可能なリアルな未来なんだ」と。
テクノロジーを武器にすれば、東京の小さな町工場であっても世界と直接つながり、製造業の下支えができる。
最近の刺激的な体験を糧に、自社の日常と社員の笑顔を守りながら、これからも新しい時代の波にワクワクしながら挑戦し続けていきます!
今週もお疲れ様でした。皆様、素晴らしい週末をお過ごしください!
