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工場の「つながり」こそ、Made in Japanの源

最近の色んなトラブルで、自分で外注さん巡りをする機会が増え、あらためて気づいたこと。それは、工場同士の「つながり」です。

うちは銘板業ですが、日本の製造業って工程が細分化されており、それぞれの工場がある部分の工程に特化しているんです。一社で一気通貫が理想かと思われがちですが、それぞれ得意な分野に特化してまとめて加工することでコストを抑えられているのではと考えております。つまり、仲間同士の価格でお互い融通し合い、最終製品の価格を抑えて、それぞれのお客さんに納品する。自社で一気通貫の製造方法より安く製造できる。

自社で何でも設備を揃えるためには、まずそのスペースが必要で、それぞれ自社で社員を揃えないといけません。未来永劫、その仕事が続くのか?まずはそれが問題です。設備揃えて社員を雇用しても稼働しなければ意味がありませんし、量産の時代は終わっておりますので、設備投資はリスクが大きい。

それであれば、各工程をプロフェッショナル達に任せた方が良い。ただし、みなさんそれぞれクセがありますので(笑)調整役は必要です。細かく指示を出す。このお客さんはこの部分が特に厳しいから気を付けてね。といった具合に。大体うまくいかない時は依頼する方の責任であることが多いです。とりあえずやっておいて、ではダメ。職人さんごとにポイントがあり、そのポイント抑えると一気に仕事が進みます。あと、品質や仕様の妥協点を探ることですね。完全良品を不良率0で製作することは不可能です。だから、この公差は緩める、この色は近似で、といった具合に。100個の注文であれば120個くらい注文して、こちらで仕訳するなど。お互い様だから、こっちは仕事出すからエライなんて態度とったら、仕事は引き受けてくれません。立場は対等です。

コロナ禍で仕事の偏りが生まれてしまいましたので、この「つながり」の分断が、私達が本気で考えなくてはならない問題なのです。腕の良い職人さん達の高齢化で、このタイミングで辞めようか・・・というケースが増えており、廃業率も上がっております。いや、これ、本当に深刻な問題です。将来起こりえるなと思っていましたが、コロナで5年くらい前倒しの状況。突然、今までできた仕事が出来なくなります。

だから、、、その廃業を食い止めるためにも、仕事を生まないといけないのです。数人でやっているような腕の良い職人さん、後継者問題もあります。子供がいても廃業するのは、仕事が続かないからです。儲からないから。そこなんですよ。単価も安く設定しており、大手さんの仕事だと特に価格を上げるのは難しい。そこを、別の割の良い仕事で補うとか、その会社にとってのメリットを考えないと。

こっちの方が安いや、次からはこっちにしよう。そうすると仕事が無くなり廃業する。この連鎖、本気でやめないと、せっかく長年で出来上がった工場のつながりが切れてしまう。そうなると、日本のモノづくりも終わってしまいます。この難題に取り組み決意でおります!!