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ドル高の影響は日本だけじゃない

先日発表されたアメリカのCPI(消費者物価指数)、市場の予想より高く、さらに円安が進んでおります。もう止まる理由がありません、どこまで行くのか。FRBはまた金利上げるだろうし、それほどインフレの恐怖があるんだなと改めて実感しております。コロナでばらまいたお金、インフレになることは分かっておりましたが、今、まさに自分の仕事や生活に直結するテーマ、勉強していた時とは違うリアルを感じています。

みなさん、今年の1月のドル円知っていますか?1ドル=115円ですよ!!30円以上も円安です。約30%です。とんでもないことが起きています。

日本人だからドル円を気にしていますが、基本的に他の国の通貨に対してもドルが強い状況が続いています。昨日、テレビ東京のWBSによると、6月までは円の独歩安、ただ、7月以降は韓国ウォンなど、他の通貨は円以上に安くなっており、ドル高の影響は円だけではないということが分かりました。ドルだけ高くなっているという状態。

ドル高の原因はアメリカのインフレ。インフレを抑えるために金利を上げています。これは、途上国にとっても悪い状況です。リスクを追ってもハイリターンが見込まれる途上国から、安全だし金利が高いドルへマネーがシフトしていくわけだから、外からのお金に頼っている途上国、お金を引き上げられる。

1997年のアジア金融危機は、アメリカの強いドル政策が原因と言われていますが、今の状況もとっても強いドルなわけだから、状況は似ていると言えます。あの韓国でさえIMFが入るほどの経済危機だったので、この先の世界経済が心配です。どうなるんだろうか・・。しかも、バイデンは強いドルを支持しているような発言があり、ドル高容認に姿勢です。

全世界で巻き起こったお金のバラマキ政策ですが、結局のところ、バラまかれたお金は富める者をもっと裕福にして、引き締めに向かえば、一番損するのは富を持っていないもの。なんだかおかしいですけど、これが市場原理というものなのでしょうか。富みを持っていないものも少しは潤ったかも知れませんが、その富はほんの少しのものです。

日本も心配ですけど、より深刻なのは途上国。生きるためのエネルギーや食糧を輸入に頼っていれば、その価格上昇は生活を直撃します。日本人が「あ、なんか値段上がってる!」っていう感覚をはるかにしのぐ、生きるか死ぬかの問題です。そして、新たな金融危機が起こるかも知れないし、アメリカのインフレがいつ終わるかも分かりません。世界経済、とっても不安定な状態です。もしかしたら、まだ日本は国内市場がそこそこ大きい分、恵まれているのかもしれません。あー、どうなることやら。円安でハッピー!!では済まされない異常な事態だと思います。