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【中東情勢のその後】「日本が詰む」は嘘だった。過発注パニックの正体と、初めて届いた「値下げ」の知らせ。

6月23日のブログで一度締めくくった「中東情勢とモノづくりの現場」のお話。あれから約1ヶ月が経過し、良いタイミングですので「その後のリアルな状況」を報告したいと思います。

まずは結論から申し上げます。 「値上げされた価格はそのまま定着したけれど、モノの入荷はまったく問題なし!むしろめちゃくちゃ忙しい!」です。

連日マスコミ等で「供給網が途絶えて日本は詰む」といった不安がさんざん煽られましたが、現場から言わせてもらえば、一切詰んでいません。

1. 現場の在庫状況と「コメ騒動」の既視感

むしろ今、製造業の現場で起きているのは逆の現象です。どこもかしこも、不安から資材を抱え込みすぎた結果、「かなりの在庫を抱えている」状態なのではないでしょうか。

……何を隠そう、弊社もそのうちの1社です(笑)。 一時期ヒヤヒヤしたシンナーも、受注ストップがかかっていたシルクのインクも、今は何事もなかったかのように普通に入ってきます。パニック期に頼みすぎてしまった資材は、計算すると余裕で「半年分」くらいあります。当分、追加注文の必要はなさそうです。

これって、昔世間を騒がせた「コメ騒動(平成の米騒動や近年の品薄)」と全く同じ構造ですよね。

2. 私たちが目撃した「過発注パニック」のリアルな構造

今回の騒動で、非常に学び深い出来事がありました。

実は混乱期、原油価格の影響をまったく受けない「ある資材」の入荷が一時期遅れるトラブルがありました。メーカーに確認しても「生産・供給に問題はない」という回答です。では、なぜ遅れたのか?

原因は、値上げの噂を聞きつけた「ある特定の顧客」が、不安になって一度に大量発注を出したことでした。 その結果、一時的に出荷が追いつかなくなり、普段なら3日で届くはずの納期が「1週間」と提示されたのです。

たった3〜4日の遅れです。しかし、現場としては「本当に1週間で届くのか?」「もっと遅れるのでは?」と強い焦りを感じます。そうなると、「なんとか多めに確保できないか?」と掛け合い、売る側も売上になるので注文を受ける。

こうして「心理的な不安 > 実際の品薄 > 過発注 > 本当の品薄」という負の連鎖が、毎日あらゆる場所で同時多発的に起きていたわけです。 渦中にいるときは生きた心地がしませんでしたが、市場のパニックが作られる瞬間を特等席で体感でき、経営者として本当に良い勉強になりました(二度とゴメンですが!)。

3. 初めて届いた「値下げ」のお見積もり

そして今週、ちょっと嬉しいニュースがありました。

何の資材かは伏せさせていただきますが、この数ヶ月間でとんでもない金額に跳ね上がっていたある材料について、初めて「値下げ」のお見積もりをいただいたのです!

製品全体に占めるコストの割合としては小さいものですが、ずっと右肩上がりだった価格がピークアウトした証拠でもあり、ホッと胸を撫でおろしました。

思い返せば、中東危機が一番ヒリヒリしていた時期、親しい塗料屋の社長さんから言われた言葉があります。 「今はパニックになっているから、焦って買い溜めしない方がいいよ」

……いやぁ、本当にその通りでした(笑)。 あの時、焦って半年分も買い込んじゃいましたけど!

結び

そんなわけで、現場はすっかり平静を取り戻し、抱え込んだ在庫とともに(笑)、元気にフル稼働しております。

いろいろと勉強になった数ヶ月間でしたが、教訓は「過度な煽りニュースに踊らされず、目の前の現場を見る」ということです。しっかりと足元を固めて、今日もお待ちいただいている製品を一つひとつ丁寧に作り上げていきます!