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これからの町工場 その1 ~共同受注について②~

昨日の記事の続き、共同受注についてです。

すでにもうやっていますと記事にしましたが、我々のような小さい工場は、自社で出来る加工が限られているんです。その理由は資金力ももちろんですが、それぞれの会社で長年培ったノウハウがあるから、自社でやるより安くて早いんです。それぞれの会社がその道のエキスパートであるから、頼んじゃった方が早い。

実はこの状況、今、ヤバイんです。そのネットワークを支えていた、安くて良質な下請けさんがどんどん減っているからです。だから、共同受注という言葉がよく出てくるんだと思います。

ただ、昨日の記事で、共同受注はうまくいかないと書きましたが、共同受注を仕組化しても、下請けさんが減っちゃう現実は変わらないと思います。廃業する理由は後継者不在だったり、そもそも経営していく余力が残っていないからでしす。共同受注をするんであれば、個々の会社で下請けさんを維持していくしか無い。

現実、どんどん下請けさん減っていますが、残っている下請けさんは逆に忙しい状況が生まれてきています。需要と供給の関係が以前と変わってきています。そう、仕組化しなくても、集まるところに仕事は集まるんです。そんな忙しい下請けさん増えてくると、そのうち自分の仕事受けてくれなくなるから、逆に内製化を考えないといけない段階にきてるんです。まさにうちはその段階です。なので、最初に結論出しましたが自分で頑張るしかないってことです。

内製化も一つの方法ですが、今の下請けさんを維持する方法だってある。切れないように仕事をまわす、後継者いないんだったら、資金出すなり、社員派遣するなり何とか維持すること。それは共同受注という形ではなく、個々の会社が出来ることだと思います。

「共同」っていう言葉があると、社長業という重たい責務から逃げ出せそうですが、いやいや、現実は変わっていないよって言いたいです。あんたが何とかしないといけないってことです。だから、私が言いたいのは、「共同」っていう言葉で責任を分散化させたとしても、それでうまく行くなんてことは無いってことです。

実はこれは自分自身もハッと思うんですけど、共同とかコラボとかいう言葉、それは魔法の言葉で、使うとなぜか気持ち良いんです。たぶんね、経営者は孤独だからだと思いますよ、みんなで頑張ろう!って言いたい。でもね、そうやったからって、何も解決できないし、何なら一人でやった方がブレないし、早い。

共同でやるんなら、もう会社を合併してひとつの会社にした方が良いと思います。そうやらないと責任の所在が曖昧です。そうなった場合、もし自分がその会社の社長になれば責任を負うし、他の誰かに任すのなら、私は自分で決める権利を放棄して、決められたポジションで会社の運営に携わる、もしくはきっぱり辞める。そうしないと前に進まない。

私はまだその段階で無いから、自分の会社でもがき苦しむだけ(笑)それは冗談ですが、今後考えると、行きつく話そうなります。みんなに決定権を平等に、みんな幸せ、なんてあり得ないですから。共同っていう甘い言葉に惑わされず、自分で出来るところまでは頑張る、生き残るにはそれしか無いですね。