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協業を考える。

今、自分の会社の今後のあり方を考えています。このまま1社で頑張っていくのか、もしくは、同業の会社と協業していくのか。

私なりの個人的な理由もあります。子供です。私には娘一人しかいません。まだ小学生ですし、将来どのような道に進むのかも分かりません。後継者の問題です。まだ44歳ですが、20年なんてあっという間です。だから、少しづつ将来を考えております。

会社の事業を承継するのは、色々な事情で自分の子供に継いでいってもらった方が良いのです。それは借入の問題。会社の借り入れは社長個人の保証も必要です。その裏付けとなるのが不動産だったりするのです。これが中小企業の現実です。

実は当社はほぼ無借金です。借り入れするまで攻めていないという見方もありますが、先々代の時代、借り入れが多くて非常に困った経験があり、比較的大きな工場を売却して規模を小さくしたのも借入の返済があったためです。その事情を知っているので、今のところ、自己資金で事業を少しづつ大きくしようとしています。でも、この先、大きな資金が必要になるかも知れない。その場合は個人の財産の裏付けがある自分の子供の方が手続きもスムーズなのです。

私が協業を考える理由は、上記のような後継者の問題だけではありません。銘板業はこの先どうなる?ということと、製造業全体が縮小する中での技術の継承の問題です。ブログで何度も記事にしていますが、とにかく廃業ばかりです。せっかくの技術がそこで止まってしまうのです。それは今作ることが出来る製品が、今後作ることが出来なくなるのでは?という危機感があります。そうであれば、消えゆく技術を協業という形でシェアして、1社だけでなく、複数の会社で生き残ることも考えるべきかと思います。

同業で同じような仕事をしていても会社ごとに強みは違います。職人的な技術が強いところもあれば、積極的にデジタル化を進めるところもある。社長の個性も様々で、ガンガン新規の事業をスタートするのが得意な人もいれば、管理をしっかりして効率化するのが得意な人もいる。だから、その強みを融合していけば面白いのではないかなと。

ただ、私たちのような零細企業は半分家内工業的な側面も強く、その一家の財産の一部だったりします。みんな家族が大事だし、自分の子供に財産を残していきたいと思うのは当然のこと。また、みんな社長だから、自分の意見は通したいと思う。そうなると利益の配分はどうするか?とか、誰がリーダーになるべきか?結構、シビアな問題も出てきます。それは調整して乗り越えていかないといけません。

一つ会社を作って、複数の会社で株を持ち合う。もしくはどこかの会社に集合してしまう、とか。一歩踏み込んだ協業の形もあるかと思います。どんな形が良いか、今後も模索していきたいと思います。うちだけ生き残れば良い!っていう時代じゃないよ。高成長が見込めない日本にいる限り、共生していく道もありです。