「安売りで仕事を奪う」のはやめましょう。私が「共生」を選ぶ理由。
いますね、仕事を「とっちゃう」人。 とっちゃうというのは、他社の仕事を値段を下げて横取りする人のこと。 はっきり言いますが、そのやり方、続きませんよ。
「義理人情」。古い言葉ですが、人間なら誰しも、いつの時代も心の中にずっとある感情です。 「裏切られた」という気持ちは根深く残るものです。
仕事が重なるパターンは2つあります。 一つは、結果的に被ってしまった場合。これは仕方ない。うちもやったことがあるし、やられたこともあります(笑)。仲間の工場へ行って、「あ、それうちでやってたやつだ……」と静かにショックを受けるやつです。
問題なのはもう一つ。「知っていて、値段で奪いにいく」パターンです。
「値段!値段!」で仕事を取っちゃう人。 それはやめた方が良いです。というか、やめてください。 自分で自分の首を絞めています。そしてそれは、巡り巡って隣の会社、業界全体に迷惑をかけています。
◆ 「時給800円」の仕事で経営できますか?
うちみたいな産業材の業界、単価は見事にバラバラです。そもそも「適正価格」って何?という世界。 うちは廃業した会社様の引き継ぎが多いですが、以前の見積もりを見て驚くことがよくあります。 「え、これ時給換算したら800円?」みたいな。 それでは経営は成り立ちません。結局、その安さが廃業の原因だったりするわけです。
私は結構、本当のことを言います。 「見積りお願いします」と図面が送られてきて、それが知っている同業者の仕事だった時。 「あ、それ見たことあります。〇〇さんの仕事ですよね? うちは手を引きます」と断ります。
だって簡単じゃないですか? 100円の仕事を「90円でやります」と言えば奪えるんですから。 でも、たった10円の差で簡単に転注するお客様もどうかと思いますが(笑)、私はその土俵には乗りません。
◆ 売上を追わないから「共生」できる
最近はインフレや廃業ラッシュで、こういう話も少し減りましたが、それでも安売りはなくなっていません。
うちはどうしているか? 「共生」です。 お客さんとも、同業者の仲間とも、そしてうちの下請けさんとも「共生」する。今はそういう時代だと思います。
私がこの考えでいられる最大の理由は、「売上(規模)を追わないから」です。 とにかく売上! 規模拡大! を目的にすると、手段を選ばず仕事を取るしかなくなる。 それは危険な道で、自ら転落に向かっています。
適正な利益を確保し、仲間と共生する。 それが、これからの町工場の生きる道だと私は確信しています。
