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フルカラー可変データの切り札「UVインクジェット」。でも、弱点も正直に話します。

2月は「可変データ(バリアブル)」をテーマにお届けしてきましたが、今回が最終回。 最後を締めくくるのは、「UVインクジェット印刷機」です。

UVインクジェット印刷とは、家庭用のプリンターをもっと巨大にしたような機械です。 版を作成せず、データを直接、樹脂や金属に吹き付け、UV(紫外線)ライトを当てて一瞬でインクを硬化させます。

UVインクジェット印刷機の動画

これの何が凄いのか? 4つのメリットをご紹介します。

1. フルカラーでの可変データがOK! 昔ながらのシルク印刷だと、色数が増えるごとに「版」が必要です。ましてや「1枚ずつ内容が違う可変データ」をシルクでやるなんて、版代がかかりすぎて現実的ではありません。 その点、UVインクジェットはデータからダイレクトに印刷するので、色数は無制限。写真データの印刷だって可能です。

2. 素材を(あまり)選ばない 樹脂、金属など、基本的に「平らなもの」であれば印刷できます。 (※ただし、後述しますが「インクの密着性」には注意が必要です)

3. イニシャル費(初期費用)が安い 「版レス」なので、版代が一切かかりません。これが最大のメリットであり、可変データに圧倒的に強い理由です。 (※データ作成費などの初期費用が少しかかる場合はあります)

4. スタートが速い! 版を作る工程がないので、データさえあればすぐに製造をスタートできます。少量で急ぎの案件にはもってこいです。 ……その代わり、印刷スピード自体は結構遅いです(笑)。 量が多い場合は別の製法が良いこともあるので、そこはプロとして最適な方法をご提案します。


【UVインクジェットの事例紹介】

【事例007】フルカラー アクリル銘板 多品種 UVインクジェット印刷

【事例067】アルミ機械銘板 フルカラー 1枚もの

【事例052】アクリル銘板 多品種 小ロット

【事例038】プラスチック製 装置銘板 多品種

さて、ここまでメリットばかり書いてきましたが、UVインクジェット印刷は決して「万能」ではありません。 ここからは、プロとして大事なことも正直に書いておきます。

一番の懸念点は「インクの密着性」です。 特に金属に対して。何の処理もせずに金属に直接UVインクを印刷すると……はい、簡単に剥がれます。

それを防ぐため、うちでは以下のような対策を行っています。

  • 対策①:ラミネート処理をする 印刷した後に、上から透明なラミネートフィルムを貼ってカバーします。これでインクが剥がれるのを防ぎます。

  • 対策②:塗装の上に印刷する ステンレスなどでよくやりますが、UVインクジェットをする前に、下処理として「塗装」を施します。塗装膜の上になら、UVインクはしっかり密着します。

こうした対策はしていますが、やはり金属にこだわるのであれば、先週・先々週にご紹介した「アルマイト」や「エッチング」にしていただくことが多いですね。 逆に、「樹脂(プラスチック)」への可変データなら、UVインクジェットが大活躍します。

うちはUVインクジェットを導入して10年以上になります。 その間、数え切れないほどのテストをし、たくさん失敗もしてきました。

だからこそ、「出来ること」と「出来ないこと(剥がれるリスクなど)」は、最初から正直にお話しします。

「フルカラーで、1枚ずつ違う文字や写真を入れたい」 そんな案件があれば、ぜひ一度ご相談ください!