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アルマイト銘板の「色」は難しい。私たちが「バラつき」について正直に話す理由。

先日の記事で「アルマイト銘板は安くて丈夫で最高だ」という話をしましたが、実はこのアルマイト銘板、一筋縄ではいかない側面もあります。

基本的には安価で手軽なのですが、ごく稀にトラブルのもとになることも。 その原因は「色」です。

アルマイト銘板のほとんどは「黒文字」もしくは「黒ベタ+抜き文字」です。 これなら全く問題ありません。トラブルになることはほぼゼロです。

問題なのは「黒以外」の色。 金・青・赤・緑・・などのカラーアルマイトです。

何のトラブルか? それは「思っていた色と違います」という、我々が一番聞きたくない言葉です(汗)。

◆ 同じ染料でも、ここまで違う

論より証拠。この写真を見てください。

これ、全く同じ「緑」の染料を使っています。 それでも、ここまで色が変わってしまうのです。

以前説明した通り、アルマイトの膜(陽極酸化被膜)に染料を染み込ませるのですが、この膜の厚みが何ミリか分かりますか? 答えは「数μm(ミクロン)」の世界です! 1ミクロンは1000分の1ミリ。

この被膜がわずか数ミクロン違うだけで、染料の入り方が変わり、色が薄くなったり濃くなったりしてしまうのです。

◆ 現場のリアルな「言い訳」を聞いてください

被膜の厚みは、アルマイト槽の温度、硫酸濃度、電気を流す時間など、無数の要素で決まります。 つまり、被膜の厚みを常に一定にするのは至難の業です。

ここで鋭いツッコミが来そうです。 「それは工場の管理の問題では?(笑)」

はい、まさにその通りです。返す言葉もありません。 ですが、あえて現場のリアルな「言い訳」をさせてください。

「その仕事、毎日決まった数量を出してくれますか?」

もし、毎日同じ板厚、同じサイズの製品を大量に流せるなら、条件を固定して「一定の色」を確約できます。 しかし、現実は違います。今は「多品種少量生産」が主流です。 「材料1枚だけ」の注文もあれば、板厚が違うものをミックスして、一つの槽でまとめてアルマイトをかけることもあります。

そうしないと、この安価な価格は維持できないのです。 条件が毎回異なる以上、どうしても仕上がりにバラつきは出てしまいます。それは、化学反応の宿命なのです。

◆ 「色指定」があるならシルク印刷へ

だから私は、見積もりの段階で必ず念を押します。 特に青や緑など、色のこだわりが強いお客様には正直に言います。 「その色、濃淡などのバラつきが出ますからね!」と。

もし、どうしても厳密な色指定(コーポレートカラーなど)が必要な場合は、アルマイトではなく「シルク印刷」を提案します。

もちろん、シルク印刷だって下地がシルバー(金属)なので、紙の印刷のようにDICやPANTONEの色チップ通りにするのは難しいですが(汗)、それでも化学反応である染料に比べれば、インクの方が色は圧倒的に安定します。

まとめ:

  • 黒のアルマイト: 安定していて最強。

  • カラーのアルマイト: 多少の濃淡(個体差)は許容してください。

  • 厳密な色指定: シルク印刷にしましょう。

トラブルを避けるために、あらかじめ「できないこと」もお伝えする。 それがプロの誠実さだと思っています。

アルマイト印刷のページ→https://www.yatabenp.jp/technology/alumite/